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外科という「科」:外科の担当する診療領域について(2)

執筆者の写真: 石橋 慶章石橋 慶章

 次に担当する大きな領域としては、「がん診療」が挙げられます。「がん治療」の3大要素は手術/薬物治療(抗がん剤)/放射線治療であり、外科はその一端を担っています。近年では、薬物治療(抗がん剤)は腫瘍内科が担当することが多くなってきましたが、手術後の抗がん剤治療は今でも外科が行っていることが多いのです。


「がん」は、以前に比べると治療が進化して完治することも多くなりましたが、やはり「不治の病」という側面があるため、外科医はがん診療を行っていく上で「緩和医療」にも携わります。すなわち、がん患者さんの体の痛みのみでなく、精神的な苦痛に関しても担当することになります。現在、2人に1人が「がん」にかかり、3人に1人が「がん」で亡くなるといわれるなか、患者さんの要望に応えるため外科医も日々研鑽しています。


 他には、手術をうける患者さんの中には、高血圧や糖尿病といった「よく耳にする病気」を患った患者さんも多くいらっしゃいますので、自ずと血圧管理/血糖値管理なども行います。特に、高血圧や糖尿病を患った患者さんに「手術」を行うと、手術によるダメージ受けた体が強く反応して血圧変化や血糖変化が起こります。外科医は、その反応をできるだけ早めに察知・予測して対応するようにしています。ところで、これらの反応は「炎症」と呼ばれ、手術に限らず「ひどい怪我」や「感染」によっても引き起こされるものです。ですので、高血圧や糖尿病の患者さんが怪我をしたり、肺炎を患ったりしたときの体の中で起こる反応を予測することは、外科医にとって多少得意な分野なのかもしれません。


 「外科の担当分野」というつもりで書いていきました。「外科の領域とは」、「内科」を基準に考えると「内科専門よりもやや浅く、がん診療、外傷、炎症の制御などを含めるとやや広い分野」と言えましょうか?

 何にせよ、外科がどんな病気にも対応ができるわけではありませんので、様々な科と連携していく必要があります。的確な担当科を探して見つけてバトンタッチするという意味では診療範囲が広いというのは少し強みである気もします。

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